望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 目を閉じ、左手の甲で瞼を覆った。
 ここは間違いなく、あの戦争中に怪我をした時に助けてもらった親子の家。だから、カレンも間違いなくあのときの娘。一年前に彼女を迎えに来た時には、ここはただの廃屋だった。すでにカレンはダレンバーナへと連れていかれた後だったのだろう。
 そこまで考えると、レイモンドは意識を失った。
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