望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
この森を抜けるには、馬で半日かかる。だから、カレンは生まれてからこの森を抜けたことはない。足を伸ばしてもせいぜい森の中。この線の細い男はカレンの身体を気遣ってくれ、こまめに休憩をとってくれた。それでも慣れない馬の背中に座り続けているとお尻も痛くなるし、ついつい背中にも力が入ってしまう。だから森の先に光が見えた時は、この辛さから解放されると思って、心の中で喜んだのだった。
森を抜けたところに一台の馬車があり、そちらへと移動させられた。ここでは母親と一緒だった。
「カレン、疲れたでしょう?」
母親は優しく笑うと、その疲れがとれるようにと回復の魔法をかけてくれた。
「娘は本当に魔法が使えないんだな」
ふん、と鼻で笑ったのは、あの線の細い男が隊長と呼んでいた男。カレンと母親は並んで座り、二人の前のど真ん中にこの男がいる。
「そうよ。だから言ったでしょ」
森を抜けたところに一台の馬車があり、そちらへと移動させられた。ここでは母親と一緒だった。
「カレン、疲れたでしょう?」
母親は優しく笑うと、その疲れがとれるようにと回復の魔法をかけてくれた。
「娘は本当に魔法が使えないんだな」
ふん、と鼻で笑ったのは、あの線の細い男が隊長と呼んでいた男。カレンと母親は並んで座り、二人の前のど真ん中にこの男がいる。
「そうよ。だから言ったでしょ」