望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「王妃様がカレン様にお会いしたいとのことです。こちらのドレスにお着替えをお願いします」
 カレンが返事をするより先に、今着ている服を脱がされ、無理やりドレスを着せられた。髪の毛も結ってもらい、鏡の前に立つとカレンの知らないカレンがそこにはいた。

「髪……」

 色が変わっていた。うすい銀色の髪。母親と同じ薄いこげ茶の髪ではない。もしかしてこれも母親の魔法の影響だろうか。

「あの、お母さんは?」
 カレンは侍女に尋ねたが、それに答えてはもらえなかった。
 あの線の細い男が迎えに来た。

「カレン様。どのような真実も受け入れてください。あなた様はあの王宮魔導師レイア様の娘なのですから」
 彼の横顔が少し曇っているようにも見えた。

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