望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
3.偽装
カレンが真っ白いウェディングドレスに身を包んだ頃、一週間ぶりにレイモンドが姿を現した。彼も真っ白なタキシードに身を包んでいる。きっと今後も、この衣装のように真っ白い関係が続くのだろうと思う。
ニコリと愛想笑いもせずに、レイモンドが手を差し出してきた。無言ではあるが、義務は果たす、という態度なのだろうか。カレンも義務を果たすためにその手をそっととった。
これは一種の儀式だ。静かに式は進行する。そう、儀式であり、義務。
だが「誓います」というその言葉をレイモンドが躊躇ったことに、カレンは気付いた。
恐らく、誓いたくないのだろう。誓いのキスも手の甲に軽く触れて終わり。
だから、誓いたくないのだ、レイモンドは。
カレンとの永遠の愛なんて。
何しろ愛のない結婚、政略結婚なのだから。国のための結婚。それはお互いにとってそういうもの。
ニコリと愛想笑いもせずに、レイモンドが手を差し出してきた。無言ではあるが、義務は果たす、という態度なのだろうか。カレンも義務を果たすためにその手をそっととった。
これは一種の儀式だ。静かに式は進行する。そう、儀式であり、義務。
だが「誓います」というその言葉をレイモンドが躊躇ったことに、カレンは気付いた。
恐らく、誓いたくないのだろう。誓いのキスも手の甲に軽く触れて終わり。
だから、誓いたくないのだ、レイモンドは。
カレンとの永遠の愛なんて。
何しろ愛のない結婚、政略結婚なのだから。国のための結婚。それはお互いにとってそういうもの。