望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 その声に応じるようにそこにいるローゼンフェルドの騎士たちが騒ぎ出す。彼らがうるさいので、カレンは眠りの魔法をかけた。姉を屠ったから、彼らにもう用はない。

「きっと、旦那様たちですね」
 血に塗れた剣を片手に、カレンはニッコリと笑む。

「奥様。一つだけ確認させてください」

「何かしら?」

「実は。私たちはこの建物内で半獣化を維持できないのです。ですが今は」
 ロバートは半獣化のままだ。
 彼はそれ以上の言葉を続けなかったし、カレンもそれについては何も答えなかった。
< 222 / 269 >

この作品をシェア

pagetop