望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「ええ、ケネスも。半年ぶり、かしら?」

「そうですね。カレン様がこの国を出てから、それくらい経ちますね。立派になられて、驚きました」
 ケネスは慣れた手つきでお茶を淹れ、それをカレンに手渡した。
「まるで、レイア様が蘇ったかのようです」
 ケネスは目を細めた。

「やはり、カレン様も魔導師」
 そして、カレンの毛先に触れた。長い髪には魔力が宿る。

「そういえば、ブレイグもお元気かしら?」

「ええ、護衛騎士として忙しくしております」

「そう」
 カレンはお茶を一口飲むと、静かに目を伏せた。この香りは心を落ち着かせる。

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