望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う

「カレン様は、疑いもなくそれをお飲みになるのですね」

「そうね」
　理由はいくつかあった。まず、ケネスがそういったことをしない人物である、と知っているから。次に、仮にこれに毒が混ぜられていたとしても、カレンにはそれに耐えられる力があるから。

「毒薬くらいで私を殺せると思っているなんて、おバカな考えですね」

「そうですね」
　ケネスは笑みを浮かべた。それはこのカレンという女性に期待する意味と、そしてこれから面白いことが起こるかもしれないという意味と。

「それでケネス。あなたは私の味方なのかしら？　それともこの国の味方なのかしら？」

「私は、カレン様。あなたにこの国を変えていただきたいと願っている者の一人です。もし、叶うのであれば、あなた様の駒としてお使いください」