望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
32.終幕
カレンは夢を見ていた。それは、夢の中にも関わらず夢であるとわかっている、夢。
あれは、誰? と思いながらも、その人物が自分の母親であることを感じた。見た目はずいぶん若いのに。
腕に抱いているのは赤ん坊。まだ、首も据わっていない。見た目だけでは、男か女か区別がつかない赤ん坊。
隣にいる男の人は誰だろう。見たことのない人物。母親は、赤ん坊の顔を覗き込んで、そして隣の男の人を見上げている。そして二人、微笑み合う。
ああ、そうか。
生まれてきてよかったのか――。
あれは、誰? と思いながらも、その人物が自分の母親であることを感じた。見た目はずいぶん若いのに。
腕に抱いているのは赤ん坊。まだ、首も据わっていない。見た目だけでは、男か女か区別がつかない赤ん坊。
隣にいる男の人は誰だろう。見たことのない人物。母親は、赤ん坊の顔を覗き込んで、そして隣の男の人を見上げている。そして二人、微笑み合う。
ああ、そうか。
生まれてきてよかったのか――。