望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
あどけなさが残るその顔で、カレンを誘う。だがその表情には困惑と呼べるような色が浮かんでいる。それをカレンは見逃さない。
「そうね。少しは息抜きも必要ね」
それに気付かないような振りをして、カレンはにっこりと微笑んだ。
「ところで、義姉さんは何の本を読んでいらっしゃったのですか? 『ローゼンフェルドの歴史』?」
「ええ。私もこちらの国についてきちんと学んでおかなければ、と思ったのです」
「そうですか。義姉さんは勉強熱心なのですね」
「いいえ。私はおバカですから」
そこでカレンが笑うと、アドニスも釣られて笑った。「そうでした、義姉さんはバカな嫁でした」
「そうね。少しは息抜きも必要ね」
それに気付かないような振りをして、カレンはにっこりと微笑んだ。
「ところで、義姉さんは何の本を読んでいらっしゃったのですか? 『ローゼンフェルドの歴史』?」
「ええ。私もこちらの国についてきちんと学んでおかなければ、と思ったのです」
「そうですか。義姉さんは勉強熱心なのですね」
「いいえ。私はおバカですから」
そこでカレンが笑うと、アドニスも釣られて笑った。「そうでした、義姉さんはバカな嫁でした」