望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 それは彼の本音なのか建て前なのか。

「でしたら、この作戦でいきましょう。兄と弟を手玉に取る悪女。でも、旦那様を手玉に取るのは難しそうですね」
 そこで、カレンはふと表情を崩した。

「僕を手玉に取るのは簡単だと?」
 アドニスは真面目な顔をして問う。

「だって、協力してくださるのでしょう? このジェルミー公爵家をダレンバーナの手から守るための」

「ええ。ですが、それとこれとの繋がりがよくわかりません」

「彼らが欲しい情報は、私が意のままにこのジェルミー公爵家を操っているというという事実。不在が多い旦那様ではなく、その弟を狙い、この公爵家を乗っ取るというストーリーを考えているのですが」

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