望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「それでうまくいくのでしょうか」

「さあ、どうでしょう? やってみないとわからないわね」
 カレンは首を傾けて軽く笑った。そして、また表情を硬くすると「アディ、一つだけ教えて欲しいことがあります」

「なんでしょう?」

「あなた。ダレンバーナが嫌い?」
 そう問うカレンの目からは、なぜか鋭さを感じた。この義姉が何を思ってそう問うているのかはわからない。だが、嘘をついたら間違いなくバレる、ということだけはわかる。

「ええ、もちろんです」
 それを聞いたカレンは、口元を歪めた。

「あら、アディ。奇遇ね。私も大嫌い」
 大嫌い、と言ったその声は、普段の彼女のトーンから一オクターブ下がった低い声だった。この義姉は何を考えているのか、アドニスでさえもわからない。
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