望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「そういうものです。私が死ぬということはこのジェルミー公爵家を潰すための口実になるのです。もしかしたら、あなたが私を狙わなくても、ダレンバーナの方で私に刺客を送ってきているかもしれませんね。それによって私が死んだとしても、それは旦那様の責任となるのです」
 そこでカレンは自嘲気味に笑った。
「私がこちらに嫁ぐことで、みなさまにはご迷惑をおかけすることになるかと思います。それでも、こちらに置いていただけると助かります。例え、旦那様に望まれていなくても」

「僕たちに選択肢はありません。それよりも、立ち話ではなく、少しお茶でも飲みながら話をしませんか? それからこの家の使用人たちについても紹介せねばなりません」

「ありがとうございます」

「どうぞ、こちらに。僕のことはどうぞアディとお呼びください」

「はい。アディ」
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