望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「もしくは、あなたが本当にいい人なのか、バカなのか」

「では、おバカであることにしてください」
 もう一口、カレンはお茶を含んだ。

 いきなりアドニスが笑い出した。
「やはり、あなたはバカだ。バカな嫁をもらったのであれば、私たちはあなたを殺す必要が無い。バカな嫁はこの家を乗っ取るような能力が無いからな」

「そうですね」
 そこでカレンはニッコリと微笑んだ。作り笑いは得意だ。

「そんなおバカな義姉さんにお願いがあります。図々しいお願いであることもわかっております」

「はい」

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