望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「すごいや。あれだけの怪我だったのに、今ではすっかり治っている。義姉さんは魔導師だったんですね。そんな情報、向こうからきていないのに」
「そもそも魔導師なら、ここへは来ないだろう。国宝だからな」
「ということは。あちらでも把握していないってことですね」
「本人はそう言っていたな」
「なんだ、兄さん。義姉さんが魔導師だってこと、知っていたんですね」
アドニスは腕を組んで、笑みを浮かべた。「まあ、いいや。兄さん、当分、人型に戻れないのであればここにいてくださいね」
アドニスの言う「ここ」とはカレンの部屋のことだろう。
「義姉さんは、本当に不思議な人だ」
アドニスは豹の背後から手を伸ばして、それのお腹に顔を埋めているカレンの頭を撫でた。カレンは気持ちよさそうに眠っている。
だがレイモンドの心の中には、認めたくない何かがあった。
アドニスはカレンの部屋の明かりを消すと、隣の部屋へと消えた。
「そもそも魔導師なら、ここへは来ないだろう。国宝だからな」
「ということは。あちらでも把握していないってことですね」
「本人はそう言っていたな」
「なんだ、兄さん。義姉さんが魔導師だってこと、知っていたんですね」
アドニスは腕を組んで、笑みを浮かべた。「まあ、いいや。兄さん、当分、人型に戻れないのであればここにいてくださいね」
アドニスの言う「ここ」とはカレンの部屋のことだろう。
「義姉さんは、本当に不思議な人だ」
アドニスは豹の背後から手を伸ばして、それのお腹に顔を埋めているカレンの頭を撫でた。カレンは気持ちよさそうに眠っている。
だがレイモンドの心の中には、認めたくない何かがあった。
アドニスはカレンの部屋の明かりを消すと、隣の部屋へと消えた。