タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
「エドアルド・ロレーヌ」
 エドアルドのその答えに「え?」とロッサナは声をあげる。

 さらに「ロレーヌ公爵?」と聞き返す。
 エドアルドは頷く。

「王弟殿下?」
 その問いにも頷く。

 ロッサナの顔から血の気が引いた。今すぐこの馬車から飛び出したい。それを止めたのはやはりエドアルドだった。そのロッサナの膝の上に置かれた手をそっと握る。

「逃げるなよ。俺に恥をかかせる気か?」
 そういたずらっぽく言う彼に、ロッサナは観念した。

< 49 / 54 >

この作品をシェア

pagetop