【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜


 いやいや、何が大丈夫なのか全然分からないんだけど!
 そう言いつつも、もしそうなったらもう覚悟するしかないかもしれないと思っている。

「会場に行く前に、まずは服を買ってきてくれる?」

「え?服?」

「まさか、その格好で行くとか言わないよね?」

 確かに……。パーティーに行くとなると、服を着替えないとならない。 今の私の格好は、少し厚めのロングTシャツにロングスカートとラフな格好すぎる。
 これではパーティーには行けない、と彼は言いたいのだろう。

「分かりました! 買ってきます」

「じゃあこれで買ってきなよ」
 
 蔵間さんは財布からクレジットカードを取り出し、私に渡した。

「え? いや、いいですよ!」

「いいから。俺が頼んだんだから、俺に払わせてくれ。 支払いは一括でいいから」

 お言葉に甘えていいものなのかは分からないけど、蔵間さんがそう言ってくれるので、お言葉に甘えることにした。
 そのままカードを受け取る。
 
「三十分後にまたここに集合で」

 三十分後に集合か……。私はその三十分の間に、パーティー着ていく服を選ばなければならない、ということか。
 どんな服を着たらいいのかは分からないけど、パーティーに相応しい服を店員さんに選んでもらえばいっか。
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