【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜
だけど久遠さんは、宿泊券ではなかったけど、テーマパークのペアチケットを当てていた。
久遠さんは「当たっちゃったよ!すまねぇな、静哉!」と笑いながら言っていた。
そんな久遠さんに、静哉さんは「アイツ、マジで調子乗ってるな」と言っていたけど、なんだかんだ二人は仲がいいようだ。
久遠さんは久遠さんで、静哉さんを心配そうに見つめていたけれど。
「莉羅、一緒に写真撮るか?」
「……え?」
静哉さんは、私にそんなことを言ってくれる。
「記念だよ、今日の。撮るか、二人で写真」
「……じゃあ、はい」
照れくさいような気もしたけど、せっかくの思い出だ。一緒に写真を撮りたい。
私たちはたった一日だけ、たった一日だけ、恋人だったんだから。
「笑えよ、莉羅」
「は、はい」
私たちは一日だけ恋人だった。 でも私にとっては、それは寂しくなるものだった。
今日が終われば、私たちは何も関係なくなる。 赤の他人に戻ると分かっていて、その手を離したくないとさえ思ってしまう。
カシャッとシャターを切る音が聞こえたが、それはすぐに止まった。
「よし、撮れたな」
カメラで二人の写真を確認する静哉さんを横目に、私は何か視線を感じたーーー。