【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜


「待ってください!そう言われても……!」
 
 なぜ!?なぜ私!?
 たまたまここを通りすがった私に、そんなことを頼むなんてっ!

「あなただけにしか、頼めないんです」

「わ、私だけ!?」

 出会ってまだ五分しか経っていない男性から、いきなりそんなことを頼まれた私は、すごく困惑した。

「えっと……。その、恋人役、と言うのは……?」

「今日一日、俺のそばにいて俺の゙恋人゙として振る舞ってください」

「あの、それはなぜ……ですか?」

 恋人役、と言われても……。その理由を教えてもらえなければ、私は引き受けるかどうかを決めることは出来ない。

「実は、すごく言い難いのですが……」

「は、はい」
 
 え、何? そんなに言いにくいことなの?

「実は俺、探偵をしてるんですよ。 それで今、とある調査をしていまして」

「探偵?……探偵!?」

 え、この人探偵だったの!? 全然そう見えなかった!

「はい。 ちょっとその調査に、恋人役の女性が必要でして」

「恋人役の女性?」

 え、そういうこと?だから私に、恋人役を頼んだってこと?
 そういうこと……。

「はい。それをあなたに、お願いしたいのです」

「……はあ」

 なぜ私なのか、と言いたい所だけど……。
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