【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜


「莉羅ちゃんは、優しいんだね」

 久遠さんは嬉しそうに笑ってくれる。

「……私、今日のこと絶対に忘れません」

「俺もだよ。……忘れないよ、絶対にな」

 最後に、静哉さんとそう会話をしたことをなんとなく覚えている。

 あの日の出来事も、あの日の恋も、あの日のキスも、あの日のハグも、あの日の思い出も、私は絶対に忘れない。
 静哉さんとの楽しかったあの思い出を、忘れたくないーーー。



◇ ◇ ◇



「久遠さん……!!」

「……莉羅ちゃん?」

 あの日から一週間、あの日の夜から静哉さんと連絡が取れなくなっていた。 また会いたいって、そう思っていたのにーーー。

「久遠さん……静哉さんに会いたいんです、私。 だから静哉さんのいる場所、教えてくれませんか?」

「……ごめん、教えられないんだ」

「どうして、ですか?」

 ってことは静哉さんにはもう、会えないの……? そんなの、そんなのイヤだよ……!

「アイツに、教えるなって口止めされてる」

「どうして、ですか……?」

 静哉さんに会いたくて、静哉さんのいる探偵事務所を訪れたけど、探偵事務所は無くなっていた。
 会えると思っていたのに、会えなかった。
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