【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜


「莉羅ちゃんに会いたくないって」

「……え?」

 会いたくない……? なんで……。
 どうして、どうして……。

「……莉羅ちゃんに会ったら、莉羅ちゃんのことをもっと好きになってしまいそうだから。アイツ、そう言ってたよ」

「え……?」

 なんで、なんで……。なんで勝手に決めるの……?

「莉羅ちゃんをあんなに目に遭わせておいて、今更会いたいなんて言えないって。……そう言ってたよ」

「っ……なんで」

「罪悪感を感じてるんだよ、アイツなりに」

 罪悪感……。

「……ずるいです。私に恋人役を頼んでおいて、まだ私お礼してもらってないんですけど」

「あ、そうなの?」

「そうです。だからお願いです。……静哉さんがどこにいるのか、教えてください」

 私は久遠さんにそう訴えて、腕を掴んだ。

「……分かった。 アイツは今、ここにいる」

 そう言って久遠さんは、私にある紙切れを渡した。

「久遠さん……」

「アイツさ、素直じゃないから。許してやって、莉羅ちゃん」

 そう言われて私は「許せません」と答えた。

「え?」

「許せません。……勝手に何も言わずに、いなくなるなんて、絶対に許しません」
 
 私は、彼に伝えたいことがあるから。
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