【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜
「絶対に無理です!」
「やってみなければ、分からないだろ」
やってみなければって……!!
「大丈夫だ。君のことは俺が守る。 例え命を狙われてるとしても、必ず君は俺が守る」
「そ、そんな……っ」
そんなの自信ない、私に出来るかなんて分からない。
「そのカップル限定クルーズの中に、俺の命を狙ってる犯人がいるはずなんだ。 頼む」
「……わ、分かりましたよ」
そこまで頼まれたら、もう突き進むしかなさそうだ。
「俺と莉羅は、今からカップルだ。 俺のことは静哉と呼んでくれ」
「えっ……」
いきなり呼び捨ては、ちょっと……抵抗があるというか……。
「俺も莉羅と呼ぶ。 いいな?」
「……はい。分かりました」
こうなったら、指示に従おう。うん。
「今からパーティー会場に向かう。一緒に来てくれ」
「は、はい……」
今から行くの? 心の準備、出来てないよ……。
「カップルに見えるように、今から特訓しないとな」
「特訓?……っ!」
蔵間さんは私の右手をぎゅっと握りしめ、恋人繋ぎをしてくる。
「今日の俺たちは恋人、だろ?」
いやいや! 特訓ってそういうこと!?
な、なんだか、心がザワザワする……。