【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜
蔵間さんと出会ってまだ何十分なのに、もうすでに手を繋いでしまっている。
「莉羅の手は、小さいんだな」
蔵間さんは私の手をぎゅっと握りしめ直し、そう言ってくる。
「そうですか?」
「そうだよ。小さいよ」
これってなんて言葉を返せばいいのだろうか?と迷ってしまう。
「カップル限定パーティーの催しものには、ビンゴ大会などもあるらしい」
「ビンゴ大会?」
「ビンゴすれば、高級ホテルの宿泊券や家電などがもらえるらしい」
高級ホテルの宿泊券!? 何!ほしい!
って!そんなこと考えてる場合じゃない!
「宿泊券は確か、高城ホールディングスが経営するホテルじゃなかったかな」
「えっ!?」
た、高城ホールディングスってあの!?
高城ホールディングスの副社長、高城藍が奥様と経営しているっていう、あのホテルのこと!?
奥様の高城透子(たかじょうとうこ、旧姓藤野)は、あの老舗旅館【夕月園】の若女将をしていたらしい。
夕月園が買収されてなくなった後、奥様は旦那さんの藍(あおい)さんとご結婚されたと聞いた。それはニュースでも報道していたし、鮮明に覚えている。
今は二人の子供がいて、二人でホテルの共同経営しているんだよね。