【完結】私と彼の一日限定恋愛。〜探偵編〜


 って……! 私たち、なんでこんな話してるんだろう?

「どうせならその宿泊券、当てて帰りたいな」

「そ、そうですね」

 当てたいは、当てたい。……当たるといいな。

「あの、蔵間さん」

「なんだ? ていうか、名前で呼んでくれと言っただろ?今日は恋人、なんだから」

「……し、静哉さんはどうして、今日あのパーティーに参加することになったんですか?」

 名前で呼ぶなんてたまらなく恥ずかしいと思いつつも、静哉さんと呼ぶことになった。

「俺の友人が、あのパーティーに参加するんだ。それで俺も誘われた」

「そ、そうですか」

 で、その友人は命が狙われてることを知っているのだろうか?

「ちなみに友人には、俺が命を狙われてることは言っていない」

「え、言ってないんですか……?」

 言わなくて、大丈夫なの?それ……。

「言ってない。言う必要もないと判断した」

「そ、そうですか……」

 言ったほうがいいんじゃないかとも、思うのだけど……。
 むしろ絶対に言ったほうがいいって!

「命を狙われてると言ったら、友人はパーティーには絶対に来るな、と言うだろうしな」

「でも普通、そう言いませんか?」

 だって、命を狙われてるんだよ?
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