幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
「サンキュ、じゃあよろしくな」

踵を返し空き教室を後にする
早く・・・・早くこの場から立ち去ろう
でも、思いとは裏腹に廊下に出ても立ち去れない自分

「はああ・・・あたしって大馬鹿者だ」

放課後ほとんどの生徒が帰った空き教室に響き渡るのは彼女の笑い声
きっとあたしのこと笑ってるんだろう
そんなあたしはこの高校のカリスマ的存在の彼、蓮常寺大和の幼馴染であり
彼の犬でもある


あたしは斎藤百花、17歳 高校二年
父親は早くに亡くなり看護師をしている母と二人暮らし
母子家庭だしお母さんの仕事が忙しいので家事もしてるし結構忙しい
聖徳高校に進んだのは家から近いのとずばり推薦入学ができた為
だって授業料が無料で高校までエスカレーター式で進学できるしね
但し、成績が良くなくちゃダメなのは当たり前だから勉強はかなり頑張ってる
だから入学したからには頑張って卒業して早くお母さんみたいな看護師さんになって一日も早く働けるようになるのが夢
だからあたしは看護師の仕事に一生を捧げる!!

物心つく頃からそう思ってたんだけど・・・・
人生何が起きるかわからない
突然あたしに訪れてしまったもの
そう、恋・・・・あたしは一目惚れしてしまったのだ


一目惚れしてしまった彼の名は蓮常寺大和
彼とあたしは幼馴染
小学校一年生の時彼が同じマンションに引っ越してきた時に遡る
同じ6階で隣同士、同じ時期に引っ越してきた彼
お引越しの挨拶をしてきた彼にあたしは眼を奪われた
茶色味がかった髪、少し吊り上がった涼しげな瞳
色白でまるで王子様のような風貌
あたしは息もできずにただ彼を見つめていた
頭が真っ白で彼しか見えなくなった
心臓を持っていかれた



彼に恋した瞬間だった




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