幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
第3章
「その顔はなんで来るのがわかったのかって顔だな」

「あ・・・・うん、びっくりした」

「気配でわかる、それより何か用か?」

「はい、これ」

「あ?なんだこれ?」

「老人ホームのパンフレットうちのお母さんがどうかって・・・・・」


教室の入り口でパンフレットの入った封筒を差し出すと何事かと驚いたように目を見開いた


「これ、お母さんが勤めてる病院に新しく出来るみたいなの、差し出がましいかなって思ったんだけどあの・・・・・大変そうだったから」


「ああ、サンキュ「その後おばあちゃんは?」

「まあ・・・・・な、取りあえず中入れよ」


眼に入って来たのは教室にはふさわしくない黒い革張りのソファ
何個か机が置いてあるけれどそこにはなぜかポットやインスタントコーヒー
そして小さな冷蔵庫まで置かれていた
色々突っ込みどころ満載だけどそこはまあ今は無視・・・・
今日は本来の目的である老人ホームの話をしなくちゃ


「まあ・・・・適当に座れよ」

「あ、うん・・・・」


あたしはソファではなく傍らに置かれていたパイプ椅子にゆっくりと座った
何故だか理由はないけどソファには座ってはいけないような雰囲気があったから
妙に緊張感が増していく雰囲気を壊すかのように大和君はあたしに突然問いかけてきた


「これ・・・・お前の母さんとこの?」

「うん、さっきも言ったけど病院内に老人ホームを建設中で入居者募集してるの
どうかなって思っておばあちゃんのことちょっと心配だったし」

「ありがとな・・・・・でも、今はちょっと無理なんだよ」

「え・・・・無理?「来週からちょっと検査入院する予定なんだよ、心臓が悪くてな」

「だから老人ホームには今んとこ入れる予定はない」

そう言って微笑んだ彼はあたしの頭をふわりと撫でた
まるで小さい子供にするみたいに・・・・・

「な、なに?突然」
「いや・・・・・なんかお前ってリスみてえだなって思って」
「り、りす?!」
「くくくくくっ・・・・」

「な、何?!突然笑いだして!!」
「いや、お前この間のおむつあれからどうしたんだよ」

え?おむつ・・・・!?
そっか、あの時たしかそのまんま履いてった
実はあの後脱ぐタイミングを逃して履いてったから・・・・・

「も、もったいないからちゃんととってあるわよ」

「返されても困るから返さなくていいぞ」
「わ、わかった・・・・「しかし、ありえねえ・・・・・」
「な、何が?」


「後にも先にも俺の前におむつで現れた女はお前が初めてだよ」
「・・・・・・・」


なんて言っていいかわからない
あの時はおばあちゃんにおむつを穿いてもらおうと一生懸命だったから
恥ずかしいとかそんな思いは頭から抜けていた
だから後から言われると・・・・物凄く恥ずかしいことをしたって焦ってしまう
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