幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
「俺はまだお姫様の子守が残ってるんだよ、じゃあな」

・・・・・ん?子守?
お姫さまってなんのことだろ?


ひらひらと手を振りながら彼は空き教室へと歩いていく
姿が見えなくなると何処からか女の子の声が聞こえて来た
今日はみんな下校時間が早くて残っている生徒も少ないから声がここまで響いてくる声でわかった・・・・・あのひとだ

「大和!!こんなところであなたなにしてるの?」


生徒会長である西条さんの声
あ~西条麗華さんか・・・・あの綺麗な人と今から過ごすんだ
そう思っただけで大和君と近づいたように思えた距離が離れたように感じた
胸が痛んだけどこれはいつものことだ
あたしは所詮親しい友人でもないただの御近所さんにすぎない
自分に言い聞かせていた


それから何日かは何事もなく過ぎた
大和君は一日二日休むことはあっても学校には来ていたしおばあちゃんは大丈夫なんだろうなって勝手に思っていた
連絡してから行こうって思ってたけどあたし大和君の連絡先知らないや
夕方買い物終わって晩御飯の支度終わってから19時くらいに顔出そうかな

「その位の時間だったら居るよね?」


手ぶらで行くのも気が引ける
ケーキでも買って帰ろう
そう思い立ったあたしは放課後スーパーで食材の買い物を済ませるとケーキを買い
家路を急いだ
学校からは自宅があるマンションまで15分ほど
スーパーがある繁華街までは徒歩で20分ほどの距離だから歩けない距離でもない
この辺りはかなり便利で車を持たない我が家でも大丈夫なほど便利がいい
だけど繁華街のあたりは夜遅くなったりすると治安が悪かったりするから女の子は気を付けて!ってお母さんに言われてたりする

足早に歩いていくとあっという間にマンションに到着する
すると突然目の前に走って来た人と思いっきりぶつかった
相手の人がかなり背が高かったので態勢を崩しそうになった


「わ!す・・・・すみません!!」
「え?いえ・・・あ!や、大和君?!」
「百花!?」
「ど、どうしたの?そんなに慌てて」


「ばあちゃんがいなくなった・・・・・・」



・・・・・・え?


「う、嘘「俺がトイレに入ってる間にいなくなった・・・・・普段は玄関の鍵必ずかけてんのに俺忘れてたみたいで、今日に限ってかけてなかったんだ」

「何処か心当りは?」
「いや、まったく・・・・・」
「あたし今日途中スーパーとかに寄り道したけどおばあちゃんらしき人は見かけなかったよ」
「そうか・・・・・とりあえずマンションの周り探してみるわ、百花は警察に連絡頼めるか?」

「わかった!!連絡しとく!」
「悪いな・・・・「大和君あたしも探すから連絡先交換しよ?」

嫌な予感に苛まれながら初めて連絡先を交換した
こんな形で交換するなんて思わなかったけど・・・・・
どうか彼の大事なひとが傷つくことがありませんように
ただそれだけを願っていた
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