幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
大和君のいない学校は妙に静かだ
おばあちゃんが亡くなって数日休んだ彼のいない学校はなんだか華やかさがないというか例えて言うなら色がないように感じる
でも、そんな日々も終わりを告げたかのようにいつもの毎日が戻ってくる
そんなあたしはまだ彼、大和君のお弁当を作り続けている
な・・・・なんで?あたしの例の犬認定?
あれって文化祭終了までだったんじゃないの?
色々疑問は尽きないんだけど昨日の夜突然響いた着信音
画面を開くと大和君からメッセージが届いていた


明日からまた弁当よろしく


たった一言添えられてる言葉に愕然とした
はあ?!これって朝、あたしに届けろってことかな
色々言いたいことはあるけど・・・・
やっぱり惚れた弱み、好きな人からのお願いって断れないんだよね
結局あたしはいそいそと大きめのお弁当箱を探して翌日の準備をする
大和君はぎりぎりまで寝ていたいタイプらしくあたしは朝、彼の家にお弁当を届けてから登校するのが日課になった
でも、あたしは肝心なところが抜けている女
まさか食べ終えたお弁当箱を彼が直接教室にまで届けにくるなんてことまでは読めなかった


「百花!今日も弁当美味かったあしたも宜しく」


そう言って放課後教室に空のお弁当を届けに来たときは教室の空気が変わった
一緒にいた美奈ちゃんも目を丸くして驚いてたし・・・・


「百花!!ど、どういうこと?!」
「いや・・・・これは「蓮常寺君はどの女の子の手作り弁当も食べないって有名なのに」


美奈ちゃんの発言に驚きのあまり言葉が出なかった
他の子のお弁当を食べないのに何故あたしのは食べてくれるんだろ
一瞬嬉しさが込み上げてきたけれど現実に引き戻される
これってやっぱり・・・・なにかまずかったりする?


「美奈ちゃんこれはね「斎藤さん、ファンクラブの会長さんがお呼びだけど」


言いかけたあたしの耳にファンクラブって言葉
それを聞いただけでわかった、大和君のファンクラブだ
多分このクラスにも入ってる人がいるんだと思う
さっきのお弁当の件を会長さんに連絡したんだ


はああ~っめんどくさい
でも行かないともっとめんどくさいことになりそう
あたしは美奈ちゃんと別れた後会長さんの元へと行った
教室の前の廊下で数人の女子と来たファンクラブの皆様と会長さん
あたし会長さんくらいしか名前わかんないんだけど・・・・
ってか、微妙に漂う圧力に心が折れそうになった

< 28 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop