幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
「これは・・・・あの、大和君から預かってるもので」
「預かってる?「お弁当代の食材代にってことで・・・」

「そもそもそれが可笑しいのよ、何故恋人でもないあなたが彼のお弁当を作ってるの?いいわ、明日からはわたしが作るからその財布寄こしなさい」

彼女の迫力に圧倒されていた
生徒会長ってやっぱり大和君と付き合ってるのかな?
彼女でもなんでもないあたしみたいな女が毎日手作り弁当なんて嫌に決まってる
その場に落ちている財布を拾って彼女に渡そうとすると誰かがぱっとあたしの腕を掴んだ


「大和・・・・!!」

「やけに朝からにぎやかだな」
「いったい何の騒ぎだよ」

「大和!斎藤さんが大和の財布持ってるからなんでって言ってただけ」
「あ?弁当代だよ「大和、明日からあたしが作るから!ね?いいでしょ」
「無理、却下」


「な・・・・なんで?」
「だってお前に弁当作らせると冷凍食品ばっかで・・・はっきり言ってあんまり美味しくねえ」
「・・・・・だからってなんで斎藤さんに」


「なんでかって?こいつの作る唐揚げが美味いからだよ、ただそれだけだ何か文句あるか?」


そう言ってあたしの頭をくしゃりと撫でる
彼はそう捨て台詞を吐くと校舎に入っていった
あたしは立ちすくむ彼女にお辞儀をすると教室へ急いだ
唐揚げ・・・・美味しいって言ってくれた!!
馬鹿なあたしは嬉しさのあまり彼女に意識がいっていなかった
彼女が唇を噛みしめていたことなど全く知らなくて・・・・
浮き立つ気持ちが急降下する出来事が待ち受けているなんて思いもしなかった


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