幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
あたしは相変わらず大和君へのお弁当作りを続けていた
何故ならあたしの作る唐揚げとハンバーグに惚れ込んでしまったらしい
一瞬え?嬉しいって悲鳴を上げそうになったけど勘違いしちゃいけない
唐揚げとハンバーグに!!だからね
そんな彼の御意向もあって生徒会長も納得したのかあれからは何も言ってこない
あたしも流石に気をつかってお弁当は朝早く自宅に届けることにしたし空のお弁当箱も玄関先に置いてもらうようにした
彼女の番発言が気にならないわけではなかったけど今冷静になって考えてみてもさっぱりわからない、だから考えるのはやめにした
もう大和君と生徒会長に関わらなければ何も言ってこないだろう
あたしは軽く・・・・本当に軽く考えていた
だからなのかいつも通りの平凡な毎日が戻ってきてあたしはかなりだらけていたんだと思う・・・・その異変は生徒会長とのお弁当騒動からちょうど一週間後に始まった



「あれ?開いてる?」



あたしはその日いつも通り学校から帰宅すると閉まってるはずの玄関ドアが開いていた、あれ?お母さんって今日夜勤のはずじゃ?
そう思ったあたしは驚いてリビングへと駆け込んだ
本来なら出勤する準備をしているお母さんでこの時間は結構ばたばたしているはず
それなのにテーブルには珍しくビールや酎ハイの缶が転がっている
お母さん普段あんまりお酒飲まないのに・・・・
それに出勤前に飲酒なんて絶対にしないはず
何か様子が変だ


「お母さん・・・・・どうしたの?何かあったの?」


「百花、どうしよう」


「お母さん?なんか変だよ大丈夫?」


「辞めちゃったの・・・・・」


「・・・・え?辞めたって何?」
「病院辞めてきたの」


・・・・・は?今なんて?


「辞めて来たって・・・・なんで?何か理由があるんでしょ?責任感の強いお母さんが看護師の仕事投げ出すはずがない」
「噂・・・・・」


・・・・・え?噂?!


「ひどい噂が病院中に・・・・・」


お母さんはそう呟くと大粒の涙をこぼした
普段泣き言なんて言わないし言ってるところを見たことがない
あたしが抱きしめるとお母さんは思い出したようにぽつりぽつりと話し始めた


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