幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
以前勤めていた病院で医療ミスをおこした
患者を虐待している看護師がこの病院に勤務している
その看護師の名は斎藤というらしい
そんな噂が病院中駆け巡った
皮肉なことに今勤務している病院で斎藤って名字の看護師はお母さんだけ
必然的にお母さんってことになったらしい
噂は噂を呼び幾ら否定しても患者さんに噂は届いてしまってる状態
手の施しようがない、なにより患者さんから拒否される
それはなによりお母さんにとって一番辛いこと


「同僚からはあたしがそんな看護師ではないってことをわかってもらってるけど患者さんからはね」

「お母さん・・・・「患者さんからおびえたような目で拒絶されるのが一番辛い、なにより不安にさせてしまうってことはそれだけで医療者失格よ」


「お母さんが虐待とか医療ミスとかそんなこと一度だってしたことないってのはあたしが一番良く知ってる!!なにより斎藤なんてありふれた名字お母さんと結びつけるのもどうかと思う」

「百花・・・・・「院長先生に掛け合ってみたら?」


お母さんは首を横に振った
伏し目がちにため息をつくとあたしを見つめながらそっと髪を撫でた



「もう辞表出しちゃったし・・・・・」
「お母さん、それでいいの?悔しくないの?」
「悔しいけど・・・・悔しいけどね一旦植え付けられたイメージってなかなか払拭するのは難しいものよ、訴えるってことも考えないこともないけどあたしよりも百花が傷つくんじゃないかってそう思ったら怖くなった」


「実はこれを機に実家に帰ろうかって思ってるの」
「帰るって・・・・・もしかして仙台のおばあちゃんち?」
「おじいちゃんが亡くなってからずっと一人暮らしだしもう年だから一人娘のあたしが面倒見ないと・・・・いい機会かなって思ったの」
「そっか、」

「噂に負けたみたいになっちゃってるけど真実はひとつだからいずれわかってくれるって思ってる・・・・悔しいけどそう願ってる」

「あたしも仙台に行くよ」


気が付いたらそう答えていた
不思議と迷いはなかった
高校は卒業したいから仙台の高校に編入試験受けて入るって感じになるのかな
咄嗟に浮かんだのはそんなことだった
でもいったい誰がそんなことを言いふらしたんだろう
こっそり調べてみようか
今度病院に行ってみるしかないかな
さっそく明日行ってみよう
唇を噛みしめながらそんなことを思っていた

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