幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
それにいつの間にか授業は終わっててなんかあたし大丈夫か?
ぼーっとしてると勉強についていけないかも・・・・
そんなことになったらやばすぎる
あたしは気分転換に外の空気を吸おうと立ち上がった

「和希さん、あたしちょっと気分転換に外に行きたいんだけど・・・・」
「ああ、それなら案内してあげるよ中庭がベンチもあってなかなかいいよおいで・・・・」


再び手を繋いで廊下に出た
和希さんって手繋ぐの好きなのかな
最初女の人だって思ってたから手を繋ぐのも違和感ない
安心できるっていうか不思議な感覚

「和希さん今日の服、制服っぽくてかっこいい」
「でしょ?私服でOKな高校だけどたまに制服っぽい服も着たくなるんだよ」
「あたしの制服っぽい私服買おうかな」
「じゃあ、今度一緒に買いに行こうか?」
「本当?!」


話に夢中で気が付かなかった
いつの間にか渡り廊下を出ると目の前にベンチのある中庭が広がっていた
そのベンチを何気なく見る
本当に何気なく・・・・
座っている人物に愕然とした


「大和君・・・・・」



真っ白いシャツに細身のジーンズ姿の彼がベンチに座って携帯を見ていた
一瞬別世界にいるような感覚があたしを襲う
なんで彼が・・・・・大和君が居るの?
東京に居るはずの彼が青蘭高校のそれも何故校舎内のベンチに座ってるの?
頭が混乱しっぱなしで処理出来ない
彼は・・・・麗華さんの傍に居るはず
目の前に居るのは誰?大和君であるはずがない


「ももちゃん・・・・?」


和希さんの問いかけに我に返る
あたしは和希さんの手を振りほどくとその場から逃れようと踵を返した


「百花!!!」


背後から走って来た大和君に抱きしめられる
彼の体温があたしに伝わる
彼の柔軟剤の香りがあたしの鼻をかすめて何故か心が揺れた
壊れるんじゃないかと思う位抱きしめる大和君はあたしにしか聞こえないであろう声でぽつりと呟いた


「やっと、やっとみつけた・・・・俺の愛しい番」



彼の言葉にぴくりと身体が反応する
番という言葉が妙に引っかかってあたしを抱きしめて離さない彼の手にそっと触れた










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