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「なんかね。
また寄りを戻したって、問題は解決しないのに…。
そう思うと、そう言葉にしてた。
その時の彼女の俺を見る目。
やっぱりね、って顔してた。
俺が引き留めない事、分かっていたのに。
きっとそう言ったのは、俺が彼女の幸せを願って身を引いた形で、終わらせたくなかったんだろうね。
俺が自分の事しか考えてなくて、って、俺に思い知らせる為に。
俺が次の言葉を発する前に、彼女は飛び降りた」


その彼女は自殺なのだけど。


彼女を死に追い詰めたのは、この人。


今なら、永倉さんが言っていた意味が分かる。


この人なら、遣りかねないって。


「彼女、部屋に遺書残してたんだけど。
その遺書には、一切俺の事なんて書いてなくて。
警察官の父親に厳しく育てられた事に対する、恨みばかりで。
けど、絶対俺のせいで彼女死んだよね?」


そう訊かれるから、躊躇いながら頷いた。


「俺達、今より先の関係に進んだら、
紫織ちゃんの事も、そうやって重荷になって殺してしまうのかもしれないね」



「…そうですよね」



「だから、俺の事は絶対に好きにならないでよ。
俺、過去のその恋愛のトラウマで、愛されるの恐怖症だから。
お互い、色々あるけど、俺は紫織ちゃんが欲しいし。
俺だけのものにしたい」



「えっ?」



この話の流れ的に、何故、そうなるのだろうか?


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