trade
一枝さんの住むマンションから出ると、蒼君の方から、私の手を繋いできた。
なんだか、昔の蒼君だ、と懐かしいような、なんとも言えない愛おしさが湧いて来る。
「未希、今は一人暮らし?」
「え、うん。
蒼君みたいに、高校卒業後私も施設を出てから一人暮らし」
なんで、そんな事を訊くのだろう?
「一人で住んでるなら、暫く家を空けても、問題ないよな。
同棲…と迄はいかないけど、荷物持って、暫く俺の部屋に来いよ」
「あ、うん…」
それって、半同棲。
「じゃあ、一緒に未希の家行って、荷物取りに行こう」
「うん」
それに、笑顔で頷いた。
一枝さんの住む場所から、タクシーで私の住むワンルームマンションへと向かう。
電車でって言う私に、代金は俺が払うからと蒼君が言うので、タクシーになった。
なんだか、私が気にしすぎなのだろうけど、そうやって金銭感覚でも、昔とは違う蒼君の一面を見ると、
なんとも言えない不安が胸に広がる。
再会して色々と変わってしまった蒼君に、冷たくされた事は、自分の中にトラウマみたいになっていて。
今、こうやって昔みたいに私を必要としてくれているけど。
また、いつ、私はこの人に捨てられるんじゃないかって。
なんだか、昔の蒼君だ、と懐かしいような、なんとも言えない愛おしさが湧いて来る。
「未希、今は一人暮らし?」
「え、うん。
蒼君みたいに、高校卒業後私も施設を出てから一人暮らし」
なんで、そんな事を訊くのだろう?
「一人で住んでるなら、暫く家を空けても、問題ないよな。
同棲…と迄はいかないけど、荷物持って、暫く俺の部屋に来いよ」
「あ、うん…」
それって、半同棲。
「じゃあ、一緒に未希の家行って、荷物取りに行こう」
「うん」
それに、笑顔で頷いた。
一枝さんの住む場所から、タクシーで私の住むワンルームマンションへと向かう。
電車でって言う私に、代金は俺が払うからと蒼君が言うので、タクシーになった。
なんだか、私が気にしすぎなのだろうけど、そうやって金銭感覚でも、昔とは違う蒼君の一面を見ると、
なんとも言えない不安が胸に広がる。
再会して色々と変わってしまった蒼君に、冷たくされた事は、自分の中にトラウマみたいになっていて。
今、こうやって昔みたいに私を必要としてくれているけど。
また、いつ、私はこの人に捨てられるんじゃないかって。