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逃亡

蒼君と私は、半同棲を始めた。


ちょうど、蒼君は仕事が忙しい時期みたいで、毎日蒼君が帰って来る時間は夜遅いけど。


それでも、そうやって、毎日蒼君と会えて、私は幸せだった。


蒼君と婚約者の恵梨香さんは、
時差の関係なのか、毎朝6時に電話をしている。


それは、いつも恵梨香さんからかかって来て、その電話で蒼君は毎朝起きている。



「え、うん…。
いや…」


眠気のせいなのか、私が同じベッドで隣に居るからなのか、
蒼君は言葉数が少ない。


私は、蒼君と恵梨香さんとの関係を壊さないと決めたけど、
嫉妬はしてしまう。


ベッドの中、手探りに蒼君の下半身に触れる。


それは、すぐに反応して、私の手の中で固く大きくなって行く。




「うん。そうだよな…」


スマホを握り、恵梨香さんと会話をしながら、そんな私を蒼君は困ったように見て来る。


私は布団の中に潜り、蒼君のボクサーパンツを下ろして、それを口に含む。


舌を動かすと、蒼君は気持ちいいのか、身をよじっている。


「うん…。そう…」


蒼君の声が、段々と相槌を返すだけで精一杯になっている。


ここに来てから5日経つけど、毎夜蒼君は私を抱いている。


けど、今もこうやって、私に反応している。


「恵梨香ごめん！
ちょっと、トイレ行きたいから切る！」


蒼君がそう言ったのが聞こえ、私が顔を上げようとすると、
すぐに、蒼君に頭を抑えられる。


それと同時くらいに、私の口の中に蒼君が出したものが広がる。


私はそれを、ごくりと飲み込んだ。


暫くして、私が布団から顔を出すと、


「未希、本当にダメだって」


そう、困ったように笑っている。



「だって…」


蒼君が他の誰かと結婚するのは仕方ないと思っているけど。


蒼君の身も心も、他の女性に渡したくないと思ってしまう。


蒼君は、そんな私の気持ちを汲み取り、それを認めるように、私の頭を撫でてくれた。