不器用主人の心は娘のもの
笑顔の娘
翌朝、執事の姿の彼がやってくると、娘は昨日見せたのと同じ満面の笑みで言った。
「ありがとうございます、テイル様…!御主人様からこの子を置く許可を、私からも頂きました…!大切にいたします…!!」
娘がこれほど喜んでくれたことに彼は胸が熱くなり、顔をほころばせてうなづいた。
そして今日こそはと思いながら彼女を見て言った。
「食事だ。またここで摂れ」
自分のもとを指し示しながら言うと、彼女は前回とは違い少し恥ずかしげに笑って、
「はい、テイル様」
と返事をしたのだった。
彼はその後も娘の様子を良く見るようになった。
『主人』の用事のない日は執事の姿でいることが多くなり、彼女は彼の姿を見れば笑顔で挨拶をするようになった。
朝は娘を膝に抱き食事をさせ終わるとぬいぐるみを抱いて戯れる彼女を、彼は何を言うでも無しに穏やかに眺めていた。
しかし、主人の姿の時では変わらず。
なおさら夜にしか主人に会わなくなった彼女は、いつものように緊張したままの様子でベッドに身体を横たえる。
そしてせめて優しく相手をしようと努力する彼の、なされるがままだった。
「ありがとうございます、テイル様…!御主人様からこの子を置く許可を、私からも頂きました…!大切にいたします…!!」
娘がこれほど喜んでくれたことに彼は胸が熱くなり、顔をほころばせてうなづいた。
そして今日こそはと思いながら彼女を見て言った。
「食事だ。またここで摂れ」
自分のもとを指し示しながら言うと、彼女は前回とは違い少し恥ずかしげに笑って、
「はい、テイル様」
と返事をしたのだった。
彼はその後も娘の様子を良く見るようになった。
『主人』の用事のない日は執事の姿でいることが多くなり、彼女は彼の姿を見れば笑顔で挨拶をするようになった。
朝は娘を膝に抱き食事をさせ終わるとぬいぐるみを抱いて戯れる彼女を、彼は何を言うでも無しに穏やかに眺めていた。
しかし、主人の姿の時では変わらず。
なおさら夜にしか主人に会わなくなった彼女は、いつものように緊張したままの様子でベッドに身体を横たえる。
そしてせめて優しく相手をしようと努力する彼の、なされるがままだった。