涼やかな風
しばらくして、私は家に帰った。
ガチャッ
「ただいまぁ~」
私は言った。
「おかえり。紗和。」
ママがそっけなく答える。
「どこ行ってて、こんなおそくなったんだ?」
パパも言う。怒ってる。
「拓徒のトコ。」
怒られるの覚悟で私は短く答えた。
「なんで拓徒くんなんかのとこにいくの!!??」
ママはあきらかに怒っている。いつものことなんだけど。
「大地の仇の弟なんだぞ!!」
もう、うるさいよ。お兄ちゃんと拓徒を引き合いにださないで。
「拓徒は関係ないじゃん!!」
私は大きな声で反論してドタドタと階段を駆け上がった。