涼やかな風
「紗和?なに冗談言ってるの??」
そう言ってきたのは、お姉ちゃん。
口をあんぐりあけて、露骨に驚いている。
「そうよ?冗談は、やめなさい」
ママも言った。
「冗談、なんかじゃないよ。
今日、拓徒、倒れて病院に運ばれたんだ。
そしたら・・・先生が拓徒は肺炎で、余命3ヶ月って言われたの・・・」
私はうつむいて言った。
私の様子に言っていることが本当なのだと、パパとママ、お姉ちゃんは悟ったらしい。
「・・・入院してる、ってことか??」
パパが聞いてきた。
「うん。もう学校に行くことはおそらくできないだろう。って」