涼やかな風

2日後―

買ったばかりのコートのボタンをとめる。丈がすこし長かった。
マフラーを首に巻きつける。

「いってきまぁーす!!」

私はリビングに向かって大きな声で言った。

「いってらっしゃい!!」

お母さんの声が返ってくる。

「紗和、待ってよ!一緒にいこうッ!」

お姉ちゃんが私を呼び止める。

「うん。音ねぇ、はやく!バス来ちゃうよ!!」


そういってドアをあけ、道路にでる。

「早いよ!紗和~」

お姉ちゃんが後ろから走ってきた。

いつもの、毎日。
< 36 / 242 >

この作品をシェア

pagetop