勿忘草
勿忘草の青が窓辺で泣いている。そして、今日も雨が世界をつつんでいる。


雨の日、渡された勿忘草はもう枯れてしまっている。隣で笑い泣いた彼は、もうここにはいない。


部屋に散りばめられた青の雑貨も。

彼の描いた壮大な蒼天の絵も。

ブルーと名づけた飼い猫も。


この部屋にあるのに、彼だけがいない。

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