初恋を手放す
―――久しぶり、元気にしてる?
そんな連絡を受け取って、しばらくやり取りをしてお茶をする約束をしたのが先週のことだ。
今日はその約束の日。
6年目の付き合いで、一度もプライベートで会う約束をしたことが無かったので、余程重要な用でもあるのだろうかと心配しつつ指定されたカフェに赴いた。
「お久しぶりです、秋さん」
私の声にスマホから顔をあげた目の前の青年は、私の知っている彼ではなかった。
「久しぶり。どうぞ座って」
「ありがとうございます。失礼します。……髪染めたんですね」
「ん?ああ、そう。大学入ったし、好きにしようと思って」
「なるほど」
私が相槌を打つと。そう硬くならないで、と笑う秋さんは、見た目だけでなく、彼自身の内面もかなり変化したように思う。
そんな連絡を受け取って、しばらくやり取りをしてお茶をする約束をしたのが先週のことだ。
今日はその約束の日。
6年目の付き合いで、一度もプライベートで会う約束をしたことが無かったので、余程重要な用でもあるのだろうかと心配しつつ指定されたカフェに赴いた。
「お久しぶりです、秋さん」
私の声にスマホから顔をあげた目の前の青年は、私の知っている彼ではなかった。
「久しぶり。どうぞ座って」
「ありがとうございます。失礼します。……髪染めたんですね」
「ん?ああ、そう。大学入ったし、好きにしようと思って」
「なるほど」
私が相槌を打つと。そう硬くならないで、と笑う秋さんは、見た目だけでなく、彼自身の内面もかなり変化したように思う。
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