ゲーム友達
残りの登校日数も残り1ヶ月を切った。


卒業って、どうしてこんなにセンチメンタルな気持ちにさせるんだろう。



目の前のロード中と書かれたモニターをぼんやり眺めながら深いため息を吐いた。


夜9時。
お風呂も入って、パジャマに着替えて、歯磨きもした。
準備万端でゲームをするのが私の日常だ。



『おい』

頭につけたヘッドセットから低い声で呼ばれて、そういえばオンライン対戦中だと思い出した。

「え、何?」

相手は隣のクラスの早坂くん。
私が一緒にゲームするのはもっぱら彼だ。
というか唯一のリアル(現実)のゲーム友達が早坂くん。


兄の影響で始めたゲームは、とても女の子がやるような可愛らしい物ではなく、ガチ。

血まみれで、臨場感あふれるシューティングアクションだ。



『いや、何のため息?』

ヘッドホン越しに聞こえる早坂くんの声は、いつも心地良い。安心感がある。何故だろう。


「もうすぐ卒業だなぁと思ってしみじみしちゃった」

『何だそれ』
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