ゲーム友達
「ていうか、早坂くんこそ。やり残した事とかないの?」
『俺?あー、あるよ』
「えっ、何なに?」
『教えません』
「なにそれ、ケチ」
『アハハ』
こんな風に一緒にゲーム出来るのも、あと少しか。
私は、このままで良いのだろうか。
また、同じ後悔を繰り返すのだろうか。
モヤモヤとした何かが、心をぎゅーっと締めつけた。
いつの間にか戦闘が始まったゲームに意識を戻し、現実の私とは全く真逆の押せ押せムーブで次々と敵をなぎ倒していく私に、早坂くんは『ホント、強すぎ』と、また笑った。