ゲーム友達
3限目、グラウンドには全8クラスの3年生が勢ぞろいした。


もちろん、見たことない人や話したことない人もいる。


今日のドッジボールはくじ引きでコートが決まるらしい。チームもクラス関係なくごちゃ混ぜだ。


こんな風に無理やり交流させられて思い出作らされるなんて。
人見知りな私の1番苦手なシステムに心底ため息が出た。




くじ引きでパラパラとコートに人が集まる中、私はBコートになった。

里奈とは別のコートになってしまった。

コートの角に立ち、フゥと凍えた手のひらを温めながら始まりを待った。




「あかりと一緒だ。ラッキー」

話し掛けてきたのは早坂くんだった。

「え」

こんなに人がいるから、まさか同じチームになるとは思ってもみなかった。

早坂くんは「さみぃ」と言うとポケットに両手を入れたまま、風で乱れた前髪を首をブンブンと横に振って直してみせた。

なんか犬みたい。


そして誰もいない私の隣に同じ方向を向いて並んで立った。

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