赤い糸~For you~
「その涙がキレイで、今日は俺のお気に入りの場所…貸してあげようと思った。この時、俺はこの子の事を守ってあげたいと思ったんだ。」



信じられなかった。



先輩の頭の中に私が少しでも存在していたことが…


嬉しかった。



「次の日、その子は部活に来なかった。」



あっ…その日は、美仔に相談した日だ。


先輩、気づいてたんだ…居なかったこと。



「その次の日、練習試合でシュートを決めた時…ふとその子の事を思い出してドアの方を見たら、友達に怒られてシュンとしてるキミがいた。思わずわらってしまった時…目があった。だけど、その子はすぐに目をそらした。」



この時は…恥ずかしくって目をそらしたんだっけ?



先輩、私のこと見ててくれたんだ。



「目をそらされて、ちょっとショックだった。それと同時に、俺この子のコト好きだと思った。」



このコトバを聞いて涙が流れた。



私だけが想ってたんじゃないんだ。



嬉しい涙と夢なんじゃないかという不安の涙が混ざり合う。



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