赤い糸~For you~
それから…美仔と話していたらバスケ部は帰る準備をし始めてた。


いつもなら、もうちょっと話してるんだけど、今日は美仔が用事があるらしいから帰ることにした。



帰り道、


「志帆!今日はよかったねー」


『うん。』



思い出しただけで


またドキドキが止まらない。



嬉しかった



それと同時に…


先輩との距離が悲しかった。



もう二度と目が合うことがないかもしれない…


そう思うと涙が出てくる。



朝までは、分かっていた事なのに、



ただ…一瞬。


目があっただけで決心が揺らぐ。



片想いでいい…



そう思うことが出来なくなる。


気持ちをおさえきれない自分が嫌になって…今まで、我慢していた涙が流れてくる。



『美仔!忘れ物したから学校に戻る!先に帰ってて』



美仔には心配かけたくなくて
言ったコトバ。


流れてくる涙に美仔が気づかないように…


走って、今まで来た道を戻った。



忘れ物なんて嘘。


ゴメンね?美仔…。



明日にはいつもの


“北村 志帆”


に戻ってると思うから…



 
< 4 / 88 >

この作品をシェア

pagetop