結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
「はぁ~。本当に素敵ですね。カメラがオフになると別人って人ばかり見ているから、心が洗われます」
凛音の隣にいた番組スタッフの横井奈央が小さく感嘆の声をあげる。
奈央は今回の企画の局側の窓口として、広報担当の凛音とずっとやり取りをしていた。彼女の気さくな人柄のおかげで、人見知りの凛音も彼女とは打ち解けていた。
「社員に対してもあんな感じなので、決して営業用の姿ではないんですよ」
自社の人間を褒めるのはマナー違反かもしれないが、龍一の人となりは水無月グループに勤める人間の誇りだ。見栄えのよさなど、彼の内面を知ってしまえばとても小さなことに思える。
「うらやましい~。うちのボスなんて横暴もいいとこですよ」
奈央はでっぷりとしたおなかの自身の上司を一瞥し、小さく首をすくめる。すると、妙なタイミングのよさで神田がふたりのほうに顔を向けた。
「おい、横井!」
横柄な口調で部下を呼ぶ。奈央は凛音に会釈すると、慌てて駆けていった。
神田が奈央になにか指示を出している。それを受けた彼女が凛音を振り返り、手招きした。
「水無月さん! ちょっといいですか?」
凛音の隣にいた番組スタッフの横井奈央が小さく感嘆の声をあげる。
奈央は今回の企画の局側の窓口として、広報担当の凛音とずっとやり取りをしていた。彼女の気さくな人柄のおかげで、人見知りの凛音も彼女とは打ち解けていた。
「社員に対してもあんな感じなので、決して営業用の姿ではないんですよ」
自社の人間を褒めるのはマナー違反かもしれないが、龍一の人となりは水無月グループに勤める人間の誇りだ。見栄えのよさなど、彼の内面を知ってしまえばとても小さなことに思える。
「うらやましい~。うちのボスなんて横暴もいいとこですよ」
奈央はでっぷりとしたおなかの自身の上司を一瞥し、小さく首をすくめる。すると、妙なタイミングのよさで神田がふたりのほうに顔を向けた。
「おい、横井!」
横柄な口調で部下を呼ぶ。奈央は凛音に会釈すると、慌てて駆けていった。
神田が奈央になにか指示を出している。それを受けた彼女が凛音を振り返り、手招きした。
「水無月さん! ちょっといいですか?」