結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
「りゅ、龍一さん――」

 凛音の言葉は龍一の唇で塞がれる。巧みなキスが、凛音の心と身体をとろけさせていく。

 彼の大きな手が胸元に触れる。ほんの少し突起をかすめただけで、凛音の腰は小さく跳ねる。

 彼を知ってしまったこの身体は、以前よりずっと敏感に……龍一を求めて淫らにうごめく。彼の長い指が、凛音のいいところを執拗にもてあそぶ。

「んっ、あぁ」
「そんな声で啼かれると、たまらない」

 吐息交じりの艶っぽい声が凛音の耳を犯す。

 首筋を強く吸いあげられ、凛音は白い喉を反らして喘いだ。

「ひあっ」

 龍一はにやりと唇の端をあげる。

「こんなところじゃ身体を冷やすかと思ったが……熱くなる一方だな」

 彼の言葉どおり、凛音の身体は耐えがたいほどの熱を帯びて、解き放たれる瞬間を待ちわびていた。

「はい……鎮めて、くれますか」

 いつか彼に言われた言葉を今度は凛音が返した。

 とろけた瞳とぬれた唇に、龍一は喉を鳴らす。

「凛音のおねだりは断れないが……あともう少し、その色っぽい姿を堪能させてくれ」

 そうして、ふたりはいつまでも、甘やかな触れ合いに興じていた。
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