結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
社内報を担当している同じ広報部のメンバーだ。
アポ取りに苦戦しているのは新入社員で、もうひとりは彼女の指導担当で凛音よりひとつ上の先輩だった。
「そうそう! ちょっと小耳に挟んだんですけど、うちの部の水無月さんって本当に社長の妹さんなんですか?」
自分の名前が出てしまって、ますます外に出にくくなる。凛音は諦めて個室のドアに背中を預けた。
「あ~。社外の人間には遠縁って説明してるんだけどねー」
「私もそう思ってましたよ!」
先輩の口ぶりからは、やや迷いも感じられたが、最後には秘密を打ち明けたいという欲求が勝ったようだ。
「まぁ、社内の人間はみんな知ってる話だしね。そう、遠縁ってのは嘘で、彼女は龍一社長の妹よ」
見えないが、新入社員の彼女が目を丸くしているところが目に浮かぶ。
「え~、やっぱりそうなんだ! でも、全然似てないですね。水無月さんて綺麗だけど、なんか暗いし……華がないって感じ?」
「そりゃあね。社長とは一滴も血がつながっていないもの」
彼女の声にはあざけるようなニュアンスがあった。
「彼女は水無月家のお嬢さんではないから。ただの連れ子よ」
アポ取りに苦戦しているのは新入社員で、もうひとりは彼女の指導担当で凛音よりひとつ上の先輩だった。
「そうそう! ちょっと小耳に挟んだんですけど、うちの部の水無月さんって本当に社長の妹さんなんですか?」
自分の名前が出てしまって、ますます外に出にくくなる。凛音は諦めて個室のドアに背中を預けた。
「あ~。社外の人間には遠縁って説明してるんだけどねー」
「私もそう思ってましたよ!」
先輩の口ぶりからは、やや迷いも感じられたが、最後には秘密を打ち明けたいという欲求が勝ったようだ。
「まぁ、社内の人間はみんな知ってる話だしね。そう、遠縁ってのは嘘で、彼女は龍一社長の妹よ」
見えないが、新入社員の彼女が目を丸くしているところが目に浮かぶ。
「え~、やっぱりそうなんだ! でも、全然似てないですね。水無月さんて綺麗だけど、なんか暗いし……華がないって感じ?」
「そりゃあね。社長とは一滴も血がつながっていないもの」
彼女の声にはあざけるようなニュアンスがあった。
「彼女は水無月家のお嬢さんではないから。ただの連れ子よ」