結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
結局、彼女たちのおしゃべりが終わるのを待ってから、凛音はお手洗いを出た。
(無駄に時間を使っちゃったな。あと一時間で終業なのに)
急いで席に戻ると、すぐに、内線電話が鳴った。相手は龍一の秘書を務める菅原だ。
「社長が私にですか?」
『えぇ、凛音さんにお話があるとのことで』
「わかりました。今からうかがいます」
短く告げて電話を切ったが、頭のなかは疑問符でいっぱいになる。
今日の取材のように、広報部の凛音は社長である龍一と一緒に仕事をする機会も多い。だが、仕事の話はすべて上司である早苗を通すので、彼から直接声がかかることはまれだ。
一応、龍一も凛音も松濤の水無月本家で今も暮らしているのだが、あの豪邸では顔を合わせる機会もほとんどない。同居というよりは、同じホテルに滞在しているような感覚だろうか。
凛音はエレベーターで最上階へとあがる。社長室の手前に秘書課があり、まずはそこで菅原に声をかけた。
「凛音さん、おつかれさまです」
(無駄に時間を使っちゃったな。あと一時間で終業なのに)
急いで席に戻ると、すぐに、内線電話が鳴った。相手は龍一の秘書を務める菅原だ。
「社長が私にですか?」
『えぇ、凛音さんにお話があるとのことで』
「わかりました。今からうかがいます」
短く告げて電話を切ったが、頭のなかは疑問符でいっぱいになる。
今日の取材のように、広報部の凛音は社長である龍一と一緒に仕事をする機会も多い。だが、仕事の話はすべて上司である早苗を通すので、彼から直接声がかかることはまれだ。
一応、龍一も凛音も松濤の水無月本家で今も暮らしているのだが、あの豪邸では顔を合わせる機会もほとんどない。同居というよりは、同じホテルに滞在しているような感覚だろうか。
凛音はエレベーターで最上階へとあがる。社長室の手前に秘書課があり、まずはそこで菅原に声をかけた。
「凛音さん、おつかれさまです」