結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
『いいことを思いついた。お前が頭をさげて頼むなら、このまま水無月家に置いてやる。生涯、金に困ることはないぞ』
その言葉から伝わってくるのは、龍一がいかに自分を憎んでいるか、それだけだった。
凛音はすっと姿勢を正し、彼に頭をさげた。
『短い期間でしたが、お世話になりました。もうご迷惑をおかけすることはないようにします』
龍一の表情が切なげにゆがむ。
どうして彼のほうが傷ついたような顔をするのだろう。凛音は不思議でたまらなかった。
苦笑交じりに彼は言う。
『かわいげのない子どもだな』
『お母さんも、いつもそう言ってました』
龍一が長い脚で一歩踏み出す。ふたりの距離がぐっと近づく。
彼の大きな手が伸びてきて凛音の頬に触れた。その温かさに凛音はひどく戸惑ってしまった。
(声も目も、すごく冷たいのに……手はとても温かいんだな)
人肌のぬくもりを知らない凛音には、それがとてもおかしなことに思えたのだ。
『おもしろいものだな。一滴も血がつながってはいないのに、お前は俺にそっくりだ』
『え?』
その言葉から伝わってくるのは、龍一がいかに自分を憎んでいるか、それだけだった。
凛音はすっと姿勢を正し、彼に頭をさげた。
『短い期間でしたが、お世話になりました。もうご迷惑をおかけすることはないようにします』
龍一の表情が切なげにゆがむ。
どうして彼のほうが傷ついたような顔をするのだろう。凛音は不思議でたまらなかった。
苦笑交じりに彼は言う。
『かわいげのない子どもだな』
『お母さんも、いつもそう言ってました』
龍一が長い脚で一歩踏み出す。ふたりの距離がぐっと近づく。
彼の大きな手が伸びてきて凛音の頬に触れた。その温かさに凛音はひどく戸惑ってしまった。
(声も目も、すごく冷たいのに……手はとても温かいんだな)
人肌のぬくもりを知らない凛音には、それがとてもおかしなことに思えたのだ。
『おもしろいものだな。一滴も血がつながってはいないのに、お前は俺にそっくりだ』
『え?』